【コロナ禍のイギリス】駐在者が見た「イギリスとCOVID-19」Part 2

UK COVID-19 Overseas Life / 海外生活・駐在
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2020.11.7 イギリスのCOVID-19による死者が50,000人を超える

UK becomes the first country in Europe to pass 50,000 COVID deaths
Total deaths: 50,023 / Daily deaths: 388 / Daily cases: 18,529

アメリカ合衆国、ブラジル、インド、メキシコに続き世界で5番目、欧州では最初にCOVID-19による死者が50,000人を超えた国になってしまいました

11月に入ってからはCOVIDの検査が始まって以来最悪の増加率を記録。1日に3万人以上の新規患者が確認される日もあり、第1波を遥かに超えるスピードで患者数が増えていきました。
ほんの2ヶ月前「Eat Out to Help Out キャンペーン」で外食を楽しんでいたのが噓のようです。

この頃1つだけポジティブだったことは、ちらほらと新しいワクチン開発の情報が入ってきていたことです。11月の後半にはマット・ハンコック保健相が「来月にはワクチンが出来上がるだろう、」と発表したのを半信半疑ながら聞いていました。

オープンできるのはテイクアウト専門店のみ
数少ないロックダウン中の楽しみです
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2020.12.2 世界で初めてワクチンを承認、翌週から接種開始へ

Pfizer/BioNTech vaccine judged safe for use in UK
Total deaths: 60,985 / Daily deaths: 382 / Daily cases: 16,424

イギリス政府は、米ファイザーと独ビオンテックが共同開発している新型コロナウイルスのワクチンについて、国として世界で初めて広範な使用を承認しました

このワクチンは接種者の95%をCOVID-19から守れるとされていて、高齢者や最前線で働く医者や看護師から優先的に接種が始まります。

通常は10年程掛かると言われているワクチン開発ですが、このファイザーとビオンテックのワクチンはたった10ヶ月という史上最速で作り出されました。このスピードゆえ、効果や副作用を心配する声もありましたが、イギリス国内ではこの「ワクチン接種開始」のニュースはおおむね好意的に受け取られていたような印象でした。

そして予定通り翌週12月8日、90歳の女性がイギリスで最初にワクチンを接種し、その模様がニュースで報道されました。

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2020.12.15 新型ウイルスの「変異種」が英イングランドで発見されたと保健相が報告

‘New variant’ of coronavirus identified in England
Total deaths: 66,639 / Daily deaths: 451 / Daily cases: 33,843

ワクチン接種開始というポジティブな出来事で少しほっとしていたところに、また新たに恐ろしいニュースが飛び込んできました。

ロンドンとその周辺地区でコロナウイルスの変異種が急速に広がっていることが確認されたのですが、この時点では「変異種」というだけでその特徴や危険性は分かっておらず、専門家が調査中という内容でした。

「異変種」発見から数日後、この変異種は従来種よりも感染の可能性が70%高く、ほぼ「制御不能」の状態になっているという報告があり、ロンドンはより厳しい警戒レベルへの引き上げが決定しました。
これを受けて欧州各国がイギリスからの渡航を相次いで禁止、イギリスと大陸間の人や物資の輸送が一時的にストップするという前代未聞の状態に。この前後から日本国内でも頻繁にイギリスに関連する報道がされるようになっていきました。

すっかり見慣れた注意事項
公園しか行く所がありません
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2020.12.25 イギリスのCOVID-19による死者が70,000人を超える

UK coronavirus deaths pass 70,000
Total deaths: 70,436 / Daily deaths: 570 / Daily cases: 32,725

クリスマスの当日、BBCニュースでイギリス国内のCOVID-19による死者が7万人に達したという報道がありました。この数日後の12月28日には1日の新規患者数が41,385人、翌日の29日には53,135人、そして年末となる31日には55,892人(死者964人/日)と過去最悪を記録、こんなにも規制を厳しくしているのに何故増えるのか、分かりません。

連日のように3万人以上の新規患者が確認され、500人を超える死亡者が出ているこの状態が「日常」になりつつあります。イギリスだけではなく「変異種」が発見され始めている欧州各地でも、感染が驚異的なスピード広がっており、いくつもの大都市がロックダウンに入りました。

日本でも「水際対策」ということで入国制限や検査体制が強化されていますが、それでも海外からの帰国者の中には「変異種」を持ったまま入国し隔離になった方もいるようです。こういった「帰国者」が差別の対象にならないことを祈るばかりです。

クリスマス当日の近所
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おわりに

2020年1月から2020年12月までの約1年間を振り返って、実際にイギリス国内がどのような状況だったか、カギとなる出来事にスポットを当てながらお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。

あるBBCの記事の中で専門家が「世界中が元通りになるにはあと2年はかかるだろう。」と言っていました。少なくともそれまでは社会的距離(Social Distancing)・衛生管理・検査・追跡は継続する必要があるそうです。

最近よく「New Normal」という言葉を聞きますが、気が付けばどこへ行ってもマスクを着け、手を消毒し、できる限りオンラインで物事を済ませ、人との接触は最低限にというのが当たり前という世の中になってきました。

自分が感染しないため、また人に感染させないためにこの習慣をより一層意識して続けていくことが「今、最も大切なこと」というのは間違いなさそうです。

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