イングランドと言えば「英語が生まれた場所」であり、英語を学ぶのにこれほど適した場所はありません。
British Council(ブリティッシュ・カウンシル)という政府機関のもと、数多くの語学学校が高いレベルの英語教育を提供しており、その質の良い授業を求めて日本を含む世界中から語学学習者が集まります。
この記事では、イギリスで英語のスキルを磨きたいとお考えの方に向けて、実際にロンドンのいくつかの語学学校で学んだ経験を持つ筆者が、その体験をもとにイギリスの語学学校について分かりやすく解説します。
イギリスの語学学校ってどんなところ?
ロンドン市内には数多くの語学学校があり、あらゆる国と地域から集まった生徒たちが一緒に学んでいます。
筆者が会ったクラスメート達は17歳の学生から60代のリタイヤしたご婦人まで、年齢・性別・国籍・職業が非常にバラエティーに富んでいて、英語の授業以外にも学ぶことの多い体験になりました。
学校にもよりますが、殆どの場合生徒のレベルによってクラスが分かれており、入学時のテストの結果で振り分けられます。
それでは最初に各コースからご紹介していきます。
English Standard Course (General English Course)
スタンダード(ジェネラル)コースは英語の4技能リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの全てをバランス良く学ぶことができるコースで、総合的な英語力を身に付けたい方にお勧めです。
レベルは以下の通りです。(CEFRという言語習得レベル指標を利用しています)
これはあくまで目安ですので、「自分はここら辺だろう」と思っていたレベルと全く違う所へ振り分けられることがあります。
多くの学校がトライアルレッスンや1週間のショートコースを用意していますので、まずはそのレベルが「自分に本当に合っているのか」確かめてから正式な入学を決めることをお勧めします。
教科書もそれまでは購入せずにレンタルしましょう。
1タームが2ヶ月~3ヶ月で、1冊の教科書を終わらせます。基本的にどの時点からでも参加可能ですが、あまりにターム終わりに近い場合は次回のタームの最初から始めた方が良いかもしれません。
上のクラスへの昇級は学校によりテストがある所と、自動的に上のクラスへ上がっていく所があります。
Spoken English Course(Speaking Course)
会話のみのコースで、1人の教師が数人の生徒相手に次々にトピックを与えディスカッションさせたり、ゲーム形式で交代で話をさせるというアクティブなクラスです。
スタンダード・コースと比較して参加人数が少ないため、大抵はレベルに関係なく1クラスにまとめられるケースがほとんどで、教師のタイプや、クラスメートの年齢層で雰囲気がガラリと変わるのが面白いところです。
English Exam Preparation Courses
イギリスで働きたい、または留学生として勉強をしたい場合、「ELTS(アイエルツ)」という英語の試験で一定のスコアを取得しなければいけません。
また「ケンブリッジ英検」という資格は永住権の取得や大学への入学の際に利用されており、特にヨーロッパ圏内では高い認知度を誇ります。
このコースはそういった試験対策に真剣に取り組んでいる人に向けて用意されたコースです。
新しい文法や単語を覚えるのではなくて、あくまで「試験対策」。問題を解く際のテクニックが授業の中心になります。
医師・歯科医師・会計士・看護師等の技術を持った人がイギリスで仕事をするために本気で勉強しにきているため、受講者の意識も英語レベルも総じて高めです。
語学学校のメリット
教師を含め、対面で色々な人と会話しながら学ぶことができるのは語学学校ならではの魅力です。
国際交流という面でも今まで会ったこともないような国籍の人と、お互いの文化や興味について話し合うことはとても良い経験になります。
また、学校という場に行くことが強制力となり、生活にリズムができ、結果毎日英語を勉強することになります。
自宅学習だとついついサボりがちになることがありますが、語学学校は「行かないとその分クラスメートが先に進んでしまう」というプレッシャーがありますので、簡単には休めません。
語学学校を選ぶ際の注意点
学校によっては「生徒が4人以下ならレッスンを週5回から週3回に減らす」とか、「期末の試験に合格しない限り、同じコースを受け続けなければいけない」といった独自のルールを設けているところがあります。後からトラブルにならないように確認しておきましょう。
エリアによってはかなり日本人割合が高い場所もあるそうですので、事前にクラスの日本人の人数は聞いておいた方が良いかもしれません。
語学学校紹介
最後に筆者が実際にお世話になった語学学校3カ所をご紹介します。
なお、COVID-19の影響でオンライン授業に切り替えている学校もあるかと思いますので、ご興味がありましたらHPアドレスから学校情報をご確認ください。
Golders Green College(ゴルダーズ・グリーン・カレッジ)
ロンドン北部、ハムステッド・ヒースという美しい公園に程近い静かな住宅地ゴルダーズ・グリーンにある語学学校です。
ここは教師もみな経験豊富で、授業料も良心的で文句なしの素晴らしい学校でした。
唯一残念だったのが、都心から若干遠く通いづらかった点です。
もしロンドン北部にお住まいで語学学校を探しているのであれば、ここはお勧めです。
Edwards Language School(エドワーズ・ランゲージ・スクール)
こちらはイーリング・ブロードウェイ駅から歩いて徒歩約5分のところにある語学学校です。
とても優しい日本人スタッフの方がいるので、初めての語学学校でも不安なく通うことができます。
昼間の短時間パートタイムコースも提供していますので、主婦の方でも通いやすい学校となっています。
Link School of English(リンク・スクール・オブ・イングリッシュ)
どうやら現在は全てオンライン授業に切り替えている様子ですが、こちらはイーリング・ブロードウェイとウエスト・アクトンの中間にある語学学校です。
とにかく授業料が安いのと、ジェネラル・コースが1ターム2ヶ月と短めですので、短期集中の方には良いかもしれません。
また1日3時間のスピーキングクラスもありますので、英会話にチャレンジしたい方は試しに参加してみてはいかがでしょうか。
おわりに
現在英語は「世界の公用言語」として非ネイティブ・スピーカーの数がネイティブ・スピーカーを圧倒していますが、イギリス人の中には「英語は自分たちの言語」という考えが根強く残っており、会話の端々からそのプライドが伺えます。
従って、彼らは「英語教育」に非常に熱心で、「自分たちこそが英語の基準である」と言わんばかりにIELTSやケンブリッジ英検といった試験を世界に向けて発信しています。
そのおひざ元であるイギリスの語学学校で英語を学ぶということは、それだけで価値があり、あなたのこれからの英語学習の基礎と「自信」を形作ってくれるはずです。
また、セクシーな「ブリティッシュ・アクセント」は英語話者にとっては憧れの的で、本場イギリスでこのアクセントを身に付けるチャンスを逃す手はありません。
もしイギリスで何かやりたいけれどまた決まっていない、語学学校に通いたいけど迷っているという方は当記事を参考にしていただければ幸いです。