初めて海外で生活するのに「必要なものを選んで持っていく。」ってかなり難しいと思いませんか?
筆者の場合は行先がロンドンだったわけですが、イギリスがそもそもどんな場所なのか、生活環境は、引っ越し先の家で何が足りないのか、何が現地調達できて何が現地では買えないのか、分からないことだらけでした。
だけど引っ越しの日はどんどん間近に迫ってくるし…。
「えーい!! もう全部持ってけ!!」と全てを箱詰めしたらとんでもない量に…なんてことは「駐在員あるある」です。
ここでは約4年間のロンドン生活を振り返って、改めて「日本から持ってきて良かった~。」と思える物をランキング形式で紹介します。
なお、薬、化粧品等、洋服類などの「生活必需品」は省略しております。
この記事が、これからロンドンに来られる方の助けになれば幸いです。
第1位 布団乾燥機
イギリスでは当然ベッド生活になるわけですが、近所で掛布団を干している光景は一度も見たことがありません。「布団を外に干す」という習慣自体が無いのでしょう。
仮に、庭やベランダに干せたとしても、冬のイギリスのどんよりとした曇り空の下では、あのふかふかの状態はまず期待できません。干さないことが「普通」でも、日本人としてはどうしても「布団を干したい!!」という欲求に駆られてしまいます。
イギリスは「乾燥している」と言われますが、冬場は窓を閉め切ってお風呂に入ったり洗濯物を室内に干したりするわけで、毎朝カーテンを開けると大量に結露しています。引っ越してきた最初の冬は「カビ」との闘いでした(マンションか戸建てかによって状況は変わってきます)。気のせいかもしれませんが、こころなしか布団もぺったんこになっているような…。そんなときは布団乾燥機の出番です。
我が家は持参した布団乾燥機を週1回は利用しており、おかげでカビだけではなくダニ対策もできますし、何よりあの干したてのようなふかふかな布団で寝ることができています。
睡眠は生活の基本ということで、布団乾燥機は間違いなく「持ってきて良かったもの」の第1位です。
こちらの布団乾燥機は「ベッド対応、靴も乾燥できる」スグレモノ。アイリスオーヤマの製品はコスパも使い勝手もよくお勧めです。
*日本の電化製品をイギリスで使用する際は「変圧器」が必要になりますのでご注意ください。
第2位 生理用品

当然イギリスでも生理用品やパンティーライナーは普通に購入できますし機能的にも問題はありませんが、やはり「使い心地」に関しては日本の製品は数段上かなというのが個人的な感想です。
筆者がたった1回だけ日本に帰国した時にも、生理用品をスーツケースにパンパンに詰めて帰りました。
具体的に何が違うかというと、フィット感と横漏れ防止対策です。
日本の製品はギャザーや凹凸がついていたり、カーブしたデザインで体のラインに沿うようになっていますが、イギリスで売られているものは全体的になんとなくのっぺりしていて、特に多い日には不安になって何度もトイレでチェックしてしまいます。
毎月のストレスを少しでも軽減させたいという方は、日本の生理用品を持って行くことをお勧めします。
第3位 炊飯器
「炊飯器持って行くって普通じゃない?」と思われるかもしれませんが、筆者がお勧めしたいのが「美味しくご飯が炊ける炊飯器」です。
もともとお米の味に無頓着だった筆者は、渡英するときに1万円前後の炊飯器を持って行ったのですが、残念なことにすぐに故障して使用不能になったため、しばらく鍋でお米を炊いていました。
その時に、鍋で炊いたお米の美味しさに感動し、翌年の一時帰国時にちょっとだけ高くて機能的な炊飯器を日本から持って帰りました。
筆者が使用しているのはこれより前のモデルですが、手入れが楽な点が気に入っています。
日本にいるときは「食べられればいいや」という感覚でしたが、これがきっかけで「海外で炊きたての美味しい白米が食べられること」は何物にも代え難い幸せだということに気付きました。
*日本の電化製品をイギリスで使用する際は「変圧器」が必要になりますのでご注意ください。
第4位 iPad
日中一人で家事をしていると、どうしても「音」が欲しくなるのですが、そんなときに重宝したのがiPadです。
タブレットなら別に何でも良いのですが、YouTubeから流れる「日本語のコンテンツ」を見たり聞いているだけで無意識のうちにほっとしているのでしょう、心なしか家事もスムーズになります。
他にも、クックパット、日本の家族とのテレビ電話、共有PCが使用できないときの代わりとして、オンライン英会話等々、iPadには本当にお世話になっています。
第5位 洗濯物干し
イギリスでは洗濯物は基本的に室内干しです。
室内干し用の物干しスタンドは現地でも購入できますが、日本の製品のような気の利いた機能がついているものは期待できません。
筆者はアイリスオーヤマの物干しスタンドを日本で購入して持って行きましたが、折りたためたり、細かい所を調節できたり、狭いスペースを最大限に利用するための工夫が凝らされていて「日本の製品ってやっぱりすごい。」ということを改めて実感しました。
たかが洗濯物干し、されど洗濯物干し。主婦にとってはほぼ毎日使うものですので、気に入ったものを使えば家事ストレスを減らすことができます。
こちらが実際ロンドンで筆者が使用しているアイリスオーヤマの洗濯物干しです。軽量で、かゆいところに手が届く機能が満載です。
第6位 サランラップ

イギリスでも現地の製品を買うことは出来ますが、使いやすさ・質の良さを比較すれば日本製の圧勝です。
何かと使う機会が多いキッチン用品ですし、やはり使い慣れたものを使用することで家事ストレスの軽減になります。
ロンドンの日本食材店で「サランラップ」や「クレラップ」を買えなくはありませんが700~800円と高価ですので、日本で購入した方がはるかに割安です。
というわけで、引っ越し荷物のキャパシティーに余裕がありましたら、可能な限り持ってこられることをお勧めします。
第7位 充電式掃除機
イギリスでは室内でも土足が普通ですので、基本的に靴を脱ぐための「玄関」はありません。
筆者はドアから入ってすぐのスペースを玄関として利用していますが、問題は入口ドアから廊下の段差が無いために出入りする度に砂やゴミが廊下に散らばることです。
そこで大変便利だったのが、日本から持ってきた充電式の掃除機。近くに立てかけておくだけで、気が付いたときに玄関周りの掃除ができます。
勿論、イギリスでも充電式掃除機は購入できますが、日本に帰国した時の電圧のことを考慮すると、日本で購入して持って行った方が何かとこの先便利かなと思います。
こちらが掃除用具の卸をやっていたプロの知人に勧められて購入した「マキタのコードレス掃除機」です。
コードレスにもかかわらずパワフルで、小さいので小回りが利いて非常に使い勝手が良いです。
借りている家にも掃除機は置いてありましたが、大きくて重いので、結局コードレスのこの充電式掃除機をずっと使用しています。
✳︎充電には変圧器が必要です。
第8位 圧力鍋
イギリスでも購入できますが、日本で購入した使い易いものを持って行った方が何かと便利かと個人的には思います。どちらにしろ1つあるとかなり重宝します。
カレーやシチューのルーは日本食材店で普通に購入出来るのですが、問題は「肉」です。
まず「薄切り肉」は普通のスーパーでは売っていませんので、ステーキかブロック肉を買って自分でカットして調理することになるのですが、当然肉が大きくなるほど調理時間が長くなります。
また、牛肉は脂身が少なくて硬く、豚肉は独特の匂いがあるので、そのまま焼いただけだと人によっては食べられないことがあります。
そんな問題を全て解決してくれるのが「圧力鍋」というわけです。
普通であれば1時間程度掛かる煮込み時間を10分以内に短縮できますし、柔らかくしてルーを入れてしまえば臭みも消えますので、わざわざ高いお肉を求めて高級食材店に足を運ぶ必要もなくなります。
庶民的なスーパーでしたらステーキ肉1キロ当たり1,000円~1,600円程で買えますので、圧力鍋を使えばゴロゴロお肉の入った豪華な料理をお手軽に楽しむことができますよ。
ラム肉を使ったシチューや、豚の角煮、イワシの甘露煮なんかも作りました。
こちらが実際筆者がロンドンで使用している「ティファールの圧力鍋」です。
参考までに、この圧力鍋でロンドンのスーパーの食材を利用して作った料理です。


第9位 好きな音楽

音楽と言っても殆ど邦楽ですが、筆者は懐メロのプレイリストをいくつか入れたMP3プレーヤーをスピーカーにセットして、家事をしている時やお風呂に入る時にBGMとして聞いていました。
外国で慣れない言葉と環境に囲まれていると無意識のうちにストレスになるようで、母国語しかも自分にとって馴染みのある歌を聴くとスッと気持ちが軽くなるんです。
恐らく、音楽を聴いている間だけ脳が「日本にいる」ような錯覚を起こしているのでしょう。
音楽は「Amazon music」「iTunes」「Google play music」といった音楽配信サービスを利用すればいくらでも入手可能ですので、日々のちょっとしたストレス解消法としてお勧めです。
第10位 鍋セット
日本人のソウルフード「鍋」は寒いイギリスでは欠かせません(個人的に)。
食材はこだわり過ぎなければ現地スーパーと日本食材店で十分揃いますので、日本から持って行く必要があるのは「土鍋」と「カセットコンロ」のみという訳です。
ただ引っ越し業者によっては引火性のガスボンベは輸入不可の場合がありますので、その際はロンドンの日本食材店か韓国・中国系の食材店でガスボンベが購入可能です。
冬場の我が家では、お手軽な「鍋」はかなりの出現率で、翌日に余った鍋汁で作る雑炊やうどんは最高です。
カセットコンロはともかくとして、「土鍋」は海外ではなかなか手に入りませんし、あったとしてもかなり高価です。もし今現在日本でお使いでしたら必ず他の調理器具と一緒にお持ちください。


このような料理でしたら、現地スーパーで売っている食材と日本食材店で買ったものを組み合わせて簡単に作ることができます。
おわりに
海外生活をこれから始められる方に向けて、ロンドン在住約4年の筆者が個人的に「日本から持ってきて良かった~。」と思える持ち物をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
勿論、生活様式、価値観、好み、家族構成によって何を持ってくるかは違ってきますが、慣れない海外生活の中で「日本を感じることができるもの」に囲まれているだけでも少しは気持ちが軽くなるのは誰しも共通することだと思います。
海外での生活は不便なことも多いですが、それを少しでも快適で前向きなものにするために、当ブログがお役に立てましたら光栄です。