イギリス駐在員がかなりの割合で経験するのがこの「交通違反の罰金(Penalty Charge Notice)」ではないでしょうか。
我々外国人にとって馴染みの無い「イギリス独特の交通ルール」に、「知らないうちに違反してしまった」というのがよくあるパターンで、筆者も苦い思いをしました。
イギリスでは「お上の権力」は絶対であり、指摘を受ければほぼ逃れる術はありませんので、しぶしぶお金を振り込んで終わりです。
ですが、中には「どーーーーーしても納得がいかない!」というケースがあり、交通局に異議申し立てをしたことがあります。そして、その結果何と先方がペナルティーを取り下げることになりました。
ここでは、納得いかない「交通違反の罰金」の請求書を受け取ってしまった時の対処法を実際の事例をもとに解説していきます。
突然届く交通違反の罰金通知書(Penalty Charge Notice)
ある日何気なく郵便物のチェックをしていたら、こんなものが届いていました。

- あなた先日「バス専用道路」に入ったでしょ
- 証拠写真あるからね
- 28日以内に £130 払ってね
- でも14日以内に支払うのだったら £65 にオマケしてあげるよ
実は「バス専用道路」走行で罰金の請求を受けたのはこれで2回目で、1回目は明らかに違反していたためすぐに罰金を支払ったのですが、この時は、道路を走行中に「ものすごい違和感」を感じたことをはっきりと覚えていたんです。
そこで、管轄の交通局のウェブサイトでCCTVカメラ(監視カメラ)に撮られた写真をチェックしたら、すぐにその違和感の正体が分かりました。

右上のシルバーの車が筆者が運転する車です。

運転していた時は「違和感」を感じただけでしたが、自分は逆走車との衝突を避けるためにやむを得ずバス専用道路に侵入していたということが、この写真から分かりました。
これで罰金を科せられるのは納得がいかないので、すぐに交通局のウェブサイトから「異議申し立て」をすることを決めました。
I think this violation should be exempted.
Because I was forced to enter the bus lane to avoid a head-on collision.
The following situation can be seen from the photographic evidence.
Evidence of Photo 1
My car was forced into the bus lane to avoid a terrible accident as the oncoming car had violated my lane and was going to crash into me.
Evidence of Photo 2
The oncoming car that would have caused the accident changed lanes and returned to its original lane.
When I checked, my traffic lane has two lanes. The oncoming car is from a single lane and dangerously invaded our side of the road which I understand is illegal.
If I hadn’t changed lanes, there was a good chance that it would have caused a serious head-on collision.
If this violation is not exempted, please show what kind of action I should have taken at this time, and on what grounds the traffic rule takes precedence over human life.
(要約)
これで罰金を科すのはひどくない?
写真①で対向車が私の車線に進入して来てるじゃない。
写真②でその車が自分のレーンに戻ってるの分かるでしょ?
向こうは片側1車線なのに違法にこっちに進入してきたんだから、私が避けなきゃ正面衝突していたよ。
これがダメだって言うのなら、私はどうすれば良かったわけ?
こんな風に専用フォームから送信しました。
送信する前に知り合いのイギリス人2人に意見を聞いた所、1人は「ダメだと思うけどやってみたら?」、もう1人は「そんなことやっても無駄だよ。黙って支払うしかないね。」と言っていたので、ダメでもともとといった感じでしたが、数日後こんなメールが届きました。

君のケースをもう一度見直したのだけど、僕の裁量権を行使してこの罰金を取り消してあげることにしたよ。
でもこれは「君の発言を受け入れた」というわけじゃないから(あくまでもう一度見直した結果)、そこのところヨロシク。
この件が別のケースに影響を与えることもないからね。
とにかく、もう君は罰金を払う必要はないよ。
若干引っかかる文章ではありますが、とにかくこれで罰金を支払う必要は無くなりました。
当然と言えば当然の結果なのですが、「自分の意見をちゃんと彼らに聞いてもらえた」という事に驚きました。
皆さんもPCNの通知を受け取ったら、まずはCCTVカメラの写真をチェックしておかしなところが無いか確認の上、次の行動に移ることをお勧めします。
万が一納得いかないところがあれば「異議申し立て」するのも1つです。
そして何よりも、交通ルールを守って運転するようお互い心掛けましょう(>▽<;)>
まとめ
- 交通違反の罰金の請求書(PCN)は突然送られてくる
- まずは落ち着いて画像確認
- 明らかな違反であれば素直に罰金を支払う(割引期間内に)
- 納得いかなければウェブサイトから異議申し立てができる