美しい海岸とオレンジ色の屋根の住宅群を見下ろす小高い丘に囲まれた町リスボンは、温暖な気候を求めるヨーロッパからの旅行者達に大人気の都市です。EUの都市としてはかなり南に位置しており、冬は温暖、夏は厳しい暑さとなる地中海性気候で、空気がカラっとしていて朝晩の寒暖差が大きいのが特徴です。
抜けるような青空と、白い建物のコントラストは目にまぶしいほど鮮やかで、街歩きをすれば至る所に歴史ある建造物を見つけることができます。
今回は、そんな見どころ満載のリスボンの街を、たった2日間で完全攻略するモデルコースをご紹介します。
1日目
実際の行程をイメージしやすいように、このモデルコースの最後に「行程表」を掲載してあります。
まずは写真と文章でモデルコースのイメージを掴んでから行程表を見ていただくと、実際の旅の流れをかなりクリアにイメージできると思いますので、併せてご参照ください。
リスボン観光には「リスボア・カード」があると便利です。
市内の交通機関が乗り放題、27の観光施設が無料、飲食店での割引も受けられます。
空港や市内のツーリスト・インフォメーションで購入できますので、ご自身の滞在日数に合ったものを購入しておくとお得に観光ができます。
サン・ジョルジェ城

「アルファマ地区」というリスボンで最も古い街並みの中心にそびえるこの「サン・ジョルジェ城」は、ローマ人の手によって建設されたという非常に古いお城です。
現在は入場料を支払って入る公園になっており、その城壁から見下ろすリスボンの街の美しさにはため息が出ます。

人気がありチケット売り場に行列ができることもありますので、可能な限り早く訪問されることをお勧めします。


街の中心ロシオ駅からは737番バスで行くか、徒歩の場合は約20分(途中登り坂あり)です。
リスボン大聖堂

市内で最も古い教会で、正面の花のような形をしたステンドグラスが特徴的です。
サン・ジョルジェ城からは、住宅街の合間の細い路地を抜けて徒歩約10分でたどり着くことができます。


この大聖堂は、もともと砦の役目を果たしていたため造りは非常に頑丈で、1755年に大きな被害を出したリスボン地震でも崩壊を免れたそうです。
ロマネスク・ゴシック・バロックといった様々な様式が入り混じっており、内部を歩くだけで異なった雰囲気の回廊や祭壇を一度に楽しむことができます。
コメルシオ広場

筆者が訪問したとき、この海を臨む「コメルシオ広場」は『ユーロビジョン・ソング・コンテスト』の会場として準備が進められている最中でした。
上の写真は1875年に建設された「アルコ・ダ・ルア・アウグスタ」という凱旋門で、リスボンの目抜き通り「アウグスタ通り」に続いています。

こちらは「リスボン大聖堂」から「コメルシオ広場」に行く途中にある、まるで鳥のくちばしに覆われたような家「くちばしの家(Casa dos Bicos)」またその形がダイアモンドにもみえることから「ダイヤモンドの家」とも呼ばれています。
美しい建物ですので、外観だけでも見学してはいかがでしょうか。

「コメルシオ広場」周辺には飲食店もいくつかありますので、この周辺で昼食を済ませておくことをお勧めします。
写真は観光客と市民の足のトラムです。
発見のモニュメント

コメルシオ広場からE15番バスに乗って約20分。海沿いの遊歩道に建つこの巨大な記念碑は、1960年にエンリケ航海王子の500回忌を記念して建設されました。
記念碑前の広場のモザイクには世界地図とその発見年月日が示されており、日本の発見に関する事も明記されています。


高さが52mもありエレベーターで屋上に出ることができますので、美しい地中海と対岸にそびえるクリスト=レイ像を見たいという方は登ってみてはいかがでしょうか。
ベレンの塔

こちらは世界遺産に指定されている「ベレンの塔」です。
「発見のモニュメント」から徒歩約11分で行くことができる美しい要塞ですが、人気のスポットですので非常に混みます。入口へ続く桟橋に大勢の人が並んでいるのがおわかりになりますでしょうか。
少し余裕を持ったスケージュールを立てて訪問されることお勧めします。

塔は「4階建て+堡塁」から成り、潮の満ち引きで城内の一部に水が入ってくるという珍しい仕組みです。
周囲は美しい公園で、観光客だけではなく地元市民の憩いの場にもなっているようです。この日も大勢の人が芝生の上で寝転んだり飲み物を片手にお喋りをしていました。
パステル・デ・ベレン

ポルトガルに来たら是非ともお試しいただきたいスイーツが「パステル・デ・ナタ」というエッグタルトです。
街を歩いていれば至る所で見かけますが、その中でも特に有名なお店がこちらの「パステル・デ・ベレン」。ご覧の通り大人気店で、店の外にまで行列ができています。


1837年創業の老舗で、伝統的な製法を今でも守って作り続けているそうです。
ジェロニモス修道院

こちらの「ジェロニモス修道院」は、「ベレンの塔」同様世界遺産に登録されているリスボンを代表する観光スポットです。
ヴァスコ・ダ・ガマによるインド航路開拓と、エンリケ航海王子の偉業を称え1502年に着工されたものの、中断等もあり完成まで300年かかったそうです。


ヴァスコ・ダ・ガマが持ち帰った香辛料の売却で得た莫大な利益によって建設されたこの巨大な修道院は、大航海時代のポルトガルの繁栄を象徴しています。

人気の観光地だけあってハイシーズンは入口に長蛇の列ができていますので、時間に余裕を持って訪問することをお勧めします。


「ベレンの塔」との距離は徒歩約15分。リスボンに来たらこの2ヶ所は外すことのできない観光スポットです。
Príncipe do Calhariz で夕食

市内に戻ったら夕飯の時間ですが、リスボンで特にお勧めしたいお店がこちらの「Príncipe do Calhariz」です。
雰囲気は大衆食堂で、観光客だけではなく地元民からも大人気、到着した時には既に店の前に行列ができていました。


メニューが豊富で全ての料理が美味しそうなこのお店では、つい隣の席の料理に目移りしてしまいます。ですが、せっかく地元民にも人気の大衆食堂に来たので、ここの名物料理を味わってみるもの良いかもしれません。

パンと卵の入ったコリアンダーとニンニクのスープ

魚介のリゾット
大変な混みようですのでウエイターがテーブルに来てくれるまで時間がかかります。のんびりビールでも飲みながら待ちましょう。
こちらのお店、味はもちろんの事、お値段もリーズナブルで非常にお勧めです。
サンタ・ジュスタのリフト

バイシャ・シアード駅のすぐそば、街のど真ん中に突然現れたこちらの奇妙な建物は、なんと「エレベーター」です。

大勢を一度に運ぶことができるクラシックなエレベーターで頂上に上がるとそこは展望台になっており、リスボンの市内と対岸の街まで見渡すことができます。

昼間も美しい光景を楽しむことができますが、夜景はまた格別ですので、体力に余裕があれば是非訪れてみてください。
大変お疲れ様でした。ここで1日目が終了です。