ベルギー旅行を計画する上で絶対に外せないものが、チョコレート、ワッフル、フレンチフライ、ムール貝といったグルメです。しかし、これらの食べ物だけではなく、ベルギーという国は面白い特徴をいくつか持っています。
まず言語に関して、オランダ・フランス・ドイツに隣接してる関係で、公用語はオランダ語・フランス語・ドイツ語の3種類、さらに英語も話せて当たり前ということで、4か国語を話す人が沢山いるそうです。
また、国の大きさは九州程しかないにもかかわらず、首都ブリュッセルにはEU本部やNATOの主要機関が置かれ「EUの首都」とも呼ばれている国際都市でもあります。
他にもベルギー国内には魅力的な都市が沢山あり、ブリュージュ、アントワープ、ゲント、ルーヴェンといった都市は街自体がおとぎ話に出てくるような可愛らしさで、日本人観光客にも大人気です。
ベルギー旅行と言えばまずブリュッセルですが、この街は1日あれば主要な場所の観光はできてしまいますので、今回は電車で約1時間で行くことができるブリュージュと合わせた2日間のモデルコースをご紹介します。
【2日間モデルコースー1日目】(赤)
①ロワイヤル広場 → ②ブリュッセル王宮 → ③王立美術館 → ④マグリット美術館 → ⑤ノートルダム・デュ・サプロン教会 → ⑥グラン・サブロン広場 → ⑦昼食(L’Entrée des Artistes)→ ⑧グランプラス → ⑨セルクラースの像 → ⑩メゾン・ダンドワ → ⑪小便小僧 → ⑫小便小僧の衣装博物館 → ⑬ギャルリ・サンテュベール → ⑭ブリュッセル証券取引所 → ⑮夕食(Noordzee)
【2日間モデルコースー2日日目のブリュージュ市内】(紫)
①ブリュージュ駅 → ②マルクト広場 → ③鐘楼 → ④運河クルーズ → ⑤昼食(De Gastro)→ ⑥聖血礼拝堂 → ⑦Chocolatier Dumon → ⑧救世主大聖堂 → ⑨聖母教会 → ⑩Diamond Museum → ⑪ブリュッセル中央駅 →⑫ 夕食(Chez Léon)
注)⑪と⑫はモデルコース「1日目」のマップ上にマークしてあります
2日間モデルコース - 1日目
- ロワイヤル広場(Place Royale Bruxelles)
- 王宮(Palais de Bruxelles)
- 王立美術館(Musées Royaux des Beaux-Arts de Belgique)
- マグリット美術館(Musée Magritte)
- ノートルダム・デュ・サプロン教会(Église Notre-Dame des Victoires au Sablon)
- グラン・サプロン広場(Place du Grand Sablon)
- 昼食
- グラン・プラス(Grand-Place)
- セルクラースの像(Everard ‘T Serclaes)
- ベルギーワッフル
- 小便小僧(Manneken Pis)
- 小便小僧の衣装博物館(GardeRobe MannekenPis)
- ギャルリ・サンテュベール(Galeries Royales Saint Hubert)
- ブリュッセル証券取引所(Bourse de Bruxelles)
- 夕食
- 夜のグラン・プラス(Grand-Place)散策
- (番外編)
ロワイヤル広場(Place Royale Bruxelles)

まずは王宮、美術館、政府機関が集中するちょっと高級なエリアにあるロワイヤル広場からスタートです。
広場といっても非常にシンプルで、石畳の広いスペースの中心に馬に跨った人の銅像が立っているだけ。ちなみにこの方は第1次十字軍の指導者ブドフロワ・ブイヨンという方だそうです。
広場の周囲を美しい建物が整然と囲んでおり、特に正面の聖ヤコブ教会はまるで神殿のようなたたずまいです。
王宮(Palais de Bruxelles)

このロワイヤル広場のすぐ隣に王宮がありますが、ここには国王は住んでいません。ですが、国王がベルギー国内にいるときは国旗があがっています。
基本入場は不可で、夏の一定期間だけ一般公開されています。
王立美術館(Musées Royaux des Beaux-Arts de Belgique)

何と200年以上の歴史を誇る、ベルギーを代表する美術館です。
古典から近現代まで4つのセクションに分かれていて展示物も多いので、全てじっくり鑑賞していると1日あっても足りません。
気になる画家や作品を事前にチェックして館内図を見ながら効率良くまわることをお勧めします。
マグリット美術館(Musée Magritte)

マグリットはベルギーを代表するシュールレアリズムの画家で、不思議なイメージと不思議な題名で見る人を混乱させるような表現方法が特徴です。
その斬新な作風ゆえに広告などに多く使用されており、筆者も「あれ?これどこかで見たことある。」という作品をいくつも発見しました(どこで見たかは全く思い出せないのですが…。)
何ともいえない不思議な世界観のマグリットワールドは、絵の意味を考えさせられたり、題名と絵のギャップに面白さを発見したり、ちょっと違った楽しみ方のできる美術館です。
ノートルダム・デュ・サプロン教会(Église Notre-Dame des Victoires au Sablon)

マグリット美術館から徒歩わずか5分でノートルダム・デュ・サプロン教会に到着です。
ゴシック建築の見事な教会で、外側の装飾もさることながら、内部のステンドグラスの細かな模様と美しい色合いは必見です。
外界から隔絶されたような空間は静かで心が落ち着きます。休憩もかねて少し椅子に腰かけて、その独特の空気を味わってみてはいかがでしょうか。
グラン・サプロン広場(Place du Grand Sablon)

土日には骨董市が開かれるこのグラン・サプロン広場は高級チョコレートショップが軒を連ねることでも有名。
日本でもおなじみのヴィタメール、ピエールマルコリーニ、ゴディヴァなどの一粒数百円のボンボンチョコレートは、デパ地下で見かけてもなかなか手が出ない高級品です。
こういったお店はショーケースの陳列が芸術的。まるで宝石の様にきれいにディスプレイされたチョコレートとお菓子類は、見ているだけでテンションが上がります。
高級チョコですのでベルギー国内といえども安くはありませんが、日本で買う価格と比較すれば割安です。自分へのお土産として、色々なお店で数個づつ買うのも楽しいのではないでしょうか。


昼食

ブリュッセルには美味しいレストランが沢山ありますので、あまりお店選びに困ることはないかと思いますが、グラン・サプロン広場周辺で実際に筆者が行ったL’Entrée des Artistesをご紹介します。
人気店らしく店内はほぼ満席でしたが、なんとか入口付近の席に座ることができました。隣では、お利口な犬を連れた男性が優雅にワインを楽しんでいました。
オーダーしたのはベルギーの定番ムール貝。ムール貝にはいくつか味付けがありますが、プレーンとクリーム系を選びました。
フレンチフライがついてくるので、結構お腹いっぱいになります。マナー的にどうだかわかりませんが、残ったムール貝のスープにフレンチフライを浸して食べると美味しいです。

こちらはベルギービール「Westmalle(ウエストマール)」です。19世紀に修道僧が自分たちの為に作り始めたもので、9.5%というアルコール度数の割には苦みが少なくフルーティー、味はしっかりしていますので飲みごたえがあります。
グラン・プラス(Grand-Place)

ブリュッセルといえばここ。世界遺産にも登録されている大広場です。
「世界で最も美しい広場の一つ」と言われており、周囲を市庁舎、フランバン侯爵の館、王の家といった立派な建物で囲まれています。
王の家は現在市立博物館になっており、ブリュッセルの歴史に関する資料や、小便小僧の衣装コレクションの一部が展示してありますので、時間があったら立ち寄っても良いかもしれません。
セルクラースの像(Everard ‘T Serclaes)

14世紀に侵攻してきたフランドル軍から街を守った英雄がセルクラースです。のちに暗殺されてしまいましたが、その行為を讃えて「星の家」の壁に像が作られました。
“触ると幸せになる”と言われている人気スポットで、時間帯によっては観光客の行列ができています。
触る順番があるとか、足元の犬にも触った方が良いだとか色々噂があるらしいのですが、とりあえず全身撫でておきましょう。
ベルギーワッフル


セルクラース像から小便小僧までの通りは賑やかで、細い道の両脇にお菓子屋さん、カフェ、レストランがひしめいています。
メゾン・ダンドワは有名なワッフル屋さんで、いつ見ても店の外まで行列ができているので、並ぶかどうかは時間と相談してください。ワッフルはシンプルですが、表面はサクサク、中はふわっとしていて美味しいです。
もう少し手前に2€Waffleというお店もあります。両方食べましたが、お手軽さを考えたらこちらの方が良いかもしれません。トッピングにより値段が変わりますが、おすすめは生クリームとチョコレートです。
小便小僧(Manneken Pis)

ブリュッセルのマスコット、小便小僧こと“ジュリアン君”です。
その昔、ブラバン公の王子が敵軍の導火線をおしっこをかけて消した、というエピソードがもとになっているとかいないとか。
フランス軍の兵士が酔っぱらってジュリアン君を盗み出したとき、憤慨した市民のデモが起こったというほど慕われています。あわてたルイ15世は、返還の際に豪華な衣装を合わせてプレゼントしたそうです。
このことがきっかけで世界中からジュリアン君に衣装が送られるようになり、近くには彼の衣装ミュージアムがあるほどです。
小便小僧の衣装博物館(GardeRobe MannekenPis)

小便小僧の衣装だけを展示した博物館です。
「世界一の衣装持ち」と言われるだけあって、世界中から送られた民族衣装やコスプレ(?)の数々が壁を埋め尽くしています。中には日本の着物や鎧兜などもあったりして、その国名と衣装を照らし合わせながら鑑賞するだけでもかなり楽しめます。
小さな施設ですので20分あれば見ることができてしまいますので、ぜひともお立ち寄りください。
ギャルリ・サンテュベール(Galeries Royales Saint Hubert)

1847年に造られた、ヨーロッパ最古のショッピングアーケードです。
カフェ、アンティークショップ、ブティック、ブックショップなどが両脇に軒を連ねますが、ここで最も有名なのが高級チョコレートショップの数々です。

特にベルギー王室ご用達のノイハウスは大人気で、広い店内は買い物客でごったがえしています。160年もの歴史がある老舗で、ボンボンショコラを最初に作ったのもこのノイハウスだそうです。
他にも、可愛らしい雑貨を探したりお土産を買ったり、つい時間を忘れて楽しんでしまいます。
ブリュッセル証券取引所(Bourse de Bruxelles)

グランプラスから徒歩約2分で、ブリュッセル証券取引所(現在はユーロネクスト証券取引所)に到着です。
イベントの時以外は基本的に内部には入ることはできませんが、重厚な神殿のような建物と前に置かれたロダンの彫刻は目を引きます 。

クリスマスの時期になると、目の前の広場にマーケットが開かれて一気に華やかな雰囲気になります。
寒空の下飲むクリスマス名物のホットワインはたまりません。
夕食


ここで是非ご紹介したいのが、“立ち食いレストラン”のNoordzeeです。
安い・早い・美味しいの3拍子で、ありとあらゆる種類のシーフードを割安な値段で食べることができます。
店員さんはとっても気さくで、オーダーしたものをテーブルで待っていると、大きな声で呼んでくれます。滞在中何度も行きたくなるお店です。
夜のグラン・プラス(Grand-Place)散策

昼間でも十分楽しむことができるグラン・プラスですが、最も美しい時間帯はライトアップされてからなので、可能であれば日が沈んでからもう一度来ることをおすすめします。
周囲の建物が全てライトアップされ暗闇に浮かび上がる姿はなんとも幻想的で、「世界で最も美しい広場の一つ」という言葉にも納得です。
(番外編)
かなりシュールな小便小僧の妹分(?)、“Jeanneke-Pis(ジャンケネ・ピス)”は行き止まりになった路地裏にいます。
あえて写真は載せませんが、一種の観光名所になっていますのでご興味のある方はどうぞ。見に来た方々は、一目見たとたん一様に微妙な表情になります。
お疲れ様でした、ここで1日目の観光終了です。
明日は朝早くから電車で移動しますので、ゆっくりお休みください。