【コロナ禍のイギリス】駐在者が見た「イギリスとCOVID-19」Part 1

UK COVID-19 Overseas Life / 海外生活・駐在
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2020.5.6 イギリスのCOVID-19による死者の合計がイタリアを超えヨーロッパ最悪となる

The UK becomes the worst-hit country in Europe
Total deaths: 31,394 / Daily deaths: 461 / Daily cases: 3,823

これからしばらくして、毎日の政府高官による「状況説明」のテレビ放送から、他国との比較をする項目が消えました

イギリスだけでなく他のヨーロッパ諸国も同様にCOVID-19の感染を抑えようとロックダウンを実施していましたが、厳しさの程度は国によって全く異なっており、イギリスでは以下の事項が許可されていました。

  • 生活必需品の買い出し(回数制限は特に無し)
  • 1日1回の運動のための外出
  • 在宅で勤務が出来ない業種の通勤

1日1回とは言え、運動が許可されていたことは非常に助かりました

いつもは賑わっていたショッピングモール
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2020.5.11 屋内・公共交通機関内でマスクが義務化

The government changed its advice to say masks should be worn in enclosed spaces
Total deaths: 33,268 / Daily deaths: 308 / Daily cases: 3,577

4月の最初の頃だったでしょうか、筆者が感染予防のためにマスクを着けていたところ、「アジア人がマスクをしている」というだけであからさまに避けられたことがあります

イギリス人にはマスクを着ける習慣が無く、COVID-19の感染が拡大しても政府は「効果的とは言えない」とマスクの義務化には非常に消極的でした

予防対策としてマスクを着けることが習慣になっている日本人としては、飛沫感染と分かっていながら、一向にマスクを導入しようとしない政府の態度が不思議で仕方ありませんでした。
ですので、ここにきてやっと「マスクの義務化」が決まって、安堵しました

時を同じくして、政府はロックダウンの段階的解除のためのロードマップを示し、6月には学校を始めとしてあらゆる施設を順次解放していくとアナウンスしました。

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2020.6.1 学校がついにオープン

Stage one of lockdown easing begins
Total deaths: 38,268 / Daily deaths: 135 / Daily cases: 1,438

遂にロックダウン解除の最初のステップである、学校がオープンになりました

また「6人ルール」なるものも導入され、最大6人まで公園や庭などのオープンスペースで会う事が許されました。

家の目の前の公園、少しずつ人が増え始めました

友人と公園でピクニックをしたり、庭でBBQをしたりと「できること」がかなり増え、自由のありがたさを噛みしめました。

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2020.6.15 服や雑貨等の小売店がオープン

People flock to the high street as non-essential shops reopen
Total deaths: 39,786 / Daily deaths: 70 / Daily cases: 985

小売店・動物園・教会等がオープンになり、今までロックダウンの中じっと我慢をしてきた消費者が、町の中心エリアに所在するショップに押しかけ、店の前には長蛇の列ができました。

また、イギリスのベストシーズンということもあり、南海岸の街には各地から人が集まり、ビーチは隙間が無いほど人で埋め尽くされ、もうそこにソーシャルディスタンスは存在していませんでした

UK beach
https://www.bbc.co.uk/news/uk-53190209

夕方のニュースでその光景を見て、また感染が広がりロックダウンになるのではないかと不安になったことを覚えています。

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2020.7.4 ロックダウン一部解除、パブ・レストランがオープン

Lockdown eases in England
Total deaths: 40,777 / Daily deaths: 33 / Daily cases: 399

ロックダウンの効果か、1日の死者数がかなり落ち着いてきたため、政府はこの規制の一部を取り払うことを決定しました

経済と健康のバランスを取ることは非常に難しく、およそ4カ月に及ぶロックダウンであらゆるビジネスが瀬戸際の状況にあり、ここで解除して一気に経済を回復させようという考えだったのでしょう。

これによりパブ・レストラン・美容院が一斉にオープ
ソーシャルディスタンスやマスクはまだ必要ですが、これでやっと日常が戻ってきたような感じがして少し安心しました。

ロックダウンが明けてショッピングを楽しむ人たち

しかし、ご存じのようにこれで英国のCOVID-19は終わりではありませんでした。

前半終了

ここで最初のロックダウンが一部解除されたため、一度区切ります。

1月に「COVID-19というウイルスが中国で生まれ、日本でも感染者が増えている。」というニュースを聞いたときは、日本にいる家族や友人の身を案じながらもどこか「遠い場所での出来事」と思っていたのかもしれません。

それがイタリアを始めとするヨーロッパ諸国(大陸側)で猛威を振るい始めても、文字通り「対岸の火事」、イギリスにいる自分たちは大丈夫と高を括っていました。

それが3月半ばを過ぎた辺りから転がり落ちるように状況が悪化、ロックダウンに突入してからも感染者と死者の増加は止まらず、まるで「バイオ・ハザード」の世界です

欧米人にとっては中国人も日本人も「アジア人」ということで、アジア人に対する差別が始まった2~3月はイギリスに来て初めて「出歩くのが怖い」と感じた時期でした。

地下鉄で通勤していた夫のことも心配で、毎日無事に帰ってくるか不安に感じていました。

その後、欧米の患者数がアジアを上回るにつれ差別も無くなり、7月にロックダウンが一部解除されました。が、ホッとしたのも束の間、次の大きな波が少しづつ近付いてきており、再びイギリスはその波に飲み込まれていきます

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